孫悟空(湖北省京劇院)

2000/09/18

池袋、東京芸術劇場で、湖北省京劇院の「孫悟空」を観ました。京劇入門にはうってつけの立ち回りの派手な演目で、はるか昔に観たことがありますが、久しぶりに理屈抜きの楽しさを味わいたいとチケットをとったもの。西遊記の中ではいろいろなパートが独立した演目として演じられますが、この日観たのはいわゆる「閙天宮」で、天宮での孫悟空の大暴れを愉快に描くものです。

ストーリーは説明を要しませんが、見どころはやはり最後の孫悟空と羅漢たちとの戦いの場面で、ユーモラスな羅漢たちを蹴散らした後に、孫悟空が見せる棒さばきはどこまでも華麗。孫悟空を演じた程和平は、体術よりもさまざまな武器を使った技で魅せてくれました。例えば、相手から投げ付けられる剣を如意棒にからめとり、回転させて投げ返したり、巨大なマラカスのような武器(名前がわからない)を剣玉の要領で如意棒の上に直立させたり、投げ上げた剣を空中で鞘におさめ、さらに今度は回しながら投げ上げて剣と鞘とを左右に飛ばしたり(考えてみたらよく客席に飛び込まないもの)。そして最後は期待通り、きらきら輝く如意棒を最高速度で前後左右に回転させてくれて、観衆は大拍手。孫悟空の見せ場はやはりここでしょう。

配役

孫悟空 程和平
太白金星
太上老君
胡巍之
二郎神君 程樹強
哪吒 張暁波

あらすじ

長年の修行の結果、変化の技を身につけた孫悟空。東海の龍宮を訪ねて龍王の定海神針を如意棒に変えて我がものとし、花果山に君臨して小猴たちを従えている。

第1場:花果山 龍王の訴えを聞いた天の玉帝は孫悟空に官職を授けて天宮に呼び寄せおとなしくさせることにし、太白金星を使者として遣わす。孫悟空はまだ見ぬ天宮にわくわくしながら出向く。
第2場:御馬監で大暴れ 弼馬温、つまりは厩の別当の地位を与えられた孫悟空。西王母が催す蟠桃の宴にも招かれない下っ端の官職であることを知り、怒って飛び出していく。
第3場:瑶池で大暴れ 西王母の居所・瑶池に忍び込んだ孫悟空は、さんざん酒を飲み、桃を食べて逃げ出す。花果山への帰途、酔って兜率宮に迷い込んだ孫悟空は、太上老君の練り上げた金丹を全部食べてしまう。
第4場:天宮で大暴れ 玉帝は知らせを聞いて大いに怒り、十万の天兵をもって孫悟空討伐に乗り出す。二郎神、巨霊神らが激しく戦い、ついに孫悟空は捕らえられる。
第5場:羅漢と闘う 八卦炉で焼かれた孫悟空は、49日目に炉から飛び出し大暴れ。玉帝は如来に応援を頼み、如来は十八羅漢を遣わす。羅漢たちをからかうように打ち負かし、孫悟空は雲に乗って去っていく。