山口華楊回顧展

1999/01/17

松屋銀座で、「山口華楊回顧展」を見ました。

山口華楊は1899年、京都の友禅染めの家に生まれ、円山・四条派の花鳥画の概念を発展させて写実的な動物画で独自の画境を確立した日本画家。この展覧会は、山口華楊の生誕100年を記念して、初期から晩年までの代表作に新発見の下絵を合わせた約70点を展示したものです。

《黒豹》(1954年)。しなやかな猛獣の緊張感が見る者に強烈な印象を与えます。
《晨》(1969年)。茄子の縦列と蝶の横の動線とが緊密に構成された優しい絵。
《秋晴》(1977年)。鋭角的な柿の枝ぶりと丸くうずくまる黒猫の対比が面白い。
《行潦》(1977年)。行潦とは庭や道の水たまりのこと。静謐の中に、青くたわわに実った梅の豊穣感が楽しい。
《鶏頭の庭》(1977年)。鶏冠のような花の陰影や庭石の佇まいの写実には息を飲みます。
《青柿》(1978年)。青い実をつけた柿の枝と葉が画面いっぱいを覆い、下方の黒猫をあたかも庇護するかのようです。
《幻化》(1979年)。恐らくは夜の草原に遊ぶ狐の姿は、激しさよりも穏やかさをもって描かれています。