加山又造展

1998/04/12

竹橋の東京国立近代美術館で、「加山又造展」を見ました。

1993年秋に京都の四条・高島屋で中国巡回帰国記念展を見たことがありますが、今回の展示はそのときよりも規模が大きく、初期のシュールな動物画から、加山又造のトレードマーク的な装飾性の高い大和絵や琳派の世界、日本画には珍しい裸婦画群、さらには水墨画への展開までが通観できます。

《冬》(1957年)。初期の動物画の時代の作品ですが、他のアンリ・ルソー的な、あるいはキュビズムの影響を受けた作品群に比べ写実的であり、それだけに冷たい厳しさがストレートに伝わってきます。
《千羽鶴(左隻)》(1970年)。金銀がふんだんに使われた、装飾的な様式化の極みを示す作品。
《花》(1978年)。東京国立近代美術館の吹き抜けの壁面を飾る《雪月花》三幅対の一点。炎の表現が、速水御舟の《炎舞》を思い起こさせます。
《春宵》(1985年)。満開の桜の下で風に渦巻く篝火が極めてダイナミック。
《おぼろ》(1986年)。弘前の枝垂桜を描いた有名な作品。水墨画の手法が巧みに取り入れられています。加山又造には他にも、円山公園の枝垂桜を描いたいくつかの桜のヴァリエーションがあります。